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シロアリの季節です

羽アリが活発に活動するのが4月から6月。

まさに今が最も活動的な時期であり、見つけやすい時期でもあります。

日本のシロアリ界のツートップ、ヤマトシロアリとイエシロアリの働きアリ(職アリ)はとてもよく似ていますが、生態・生息場所は異なります。前者は浴槽や台所の床下などの湿った木材を食害しますが被害は比較的控えめで、後者は活動範囲が広く地下道から家屋全体へ広がっていき、食欲も旺盛です。

このよく似た2種類のシロアリを見分ける際は、羽アリまたは兵アリで識別しましょう。ヤマトシロアリの羽アリは黒っぽい体色で、4~5月の10~12時頃、明るい時間に一斉に飛び立ちます。一方、イエシロアリの羽アリは茶褐色で、6~7月の夕方から夜にかけて飛び立ちます。兵アリはいずれも働きアリよりやや大きめ。どちらも頭の先端にハサミを持ちますが、頭部が細長く円筒状なのがヤマトシロアリ、タマネギ型なのがイエシロアリです。

ヤマトシロアリ(体長3.5~6mm) イエシロアリ(体長4~6.5mm)
  ヤマトシロアリ(体長3.5~6mm)         イエシロアリ(体長4~6.5mm)
1つの巣には、王と女王は1匹ずつですが、卵を産むことができるのは女王だけ。兵アリや働きアリは産卵しません。そのため、シロアリの女王は頻繁に交尾し、産卵を繰り返すことによってコロニーを繁栄させ、大きな“シロアリ王国”を築き上げます。例えば、ヤマトシロアリはシロアリの中では比較的コロニーは小規模ですが、それでも1~2万程度。かなりの大所帯です。
基本的に暗い世界で生きるシロアリも、一生に一度だけハネムーン(生殖活動)へと飛行開始。4月から7月にかけてシロアリの羽アリの目撃情報が増えるのは、そのためです。ただし、沖縄など温暖な地域では時期が早まり、北海道などの寒冷地では時期が遅れる傾向にあります。温度20℃以上、湿度80%前後の温暖多湿な日を選び、ハネムーン(生殖活動)へと出かけることが多いです。
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シロアリの主な栄養源は木材に含まれるセルロース。太陽の光が当たらない暗い場所、風通しが悪くジメジメした湿度の高い床下などの人間の目につかないところで湿った木材を食害します。そのため、気が付いた時には取り返しのつかない状況になってしまうことも…。特に沿岸部での被害が多く、温暖なエリアで被害が目立つ傾向にありますが、ヤマトシロアリは北海道の一部を除きほぼ全国で見られ、イエシロアリも関東から九州にかけて広く生息しています。
日本の住宅を食害するシロアリのうち8~9割を占めるのがヤマトシロアリ。このシロアリはお風呂場や洗面所、台所の床下など水回りに被害が集中します。多湿な場所の湿った木材を好み、少しずつでも確実に食害を進め、柱などの内面を空洞化してしまうのです。なかでもマツ系が大好きで、クリ・サクラ・スギ・オニグルミ・ハコネウツギなどの樹木も大好物。その他の樹木も食害します。そして、家の中に侵入するために蟻道を掘ったり、巣を作る過程で断熱材や電気コード、プラスチックやゴム類も加害します。ヤマトシロアリはイエシロアリに比べて食害の速度が遅く、被害が見えにくく、被害を受けていてもまったく気付かないことも多いです。
自宅の周辺で羽アリを発見したら危険信号。なぜなら羽アリはハネムーンへと出かける4~7月頃、群れで巣立ちますが、移動距離は数十から数百メートルほどで、それほど遠くへは行けないからです。つまり、シロアリの羽アリを見つけたり、カラダから落ちた翅(羽)が周辺にたくさん散っている場合、近くに成熟した巣がある可能性が高いということになります。
 
木造住宅の天敵「シロアリ」の予防と駆除方法については後日お知らせ致します。

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